特別展・企画展
令和5年度冬季特別展「まくら-古墳時代の石枕と葬送儀礼-」
古墳時代には様々な葬送儀礼が執り行われたことが、墳丘や埋葬施設などからの出土品により推測できます。様々な出土品の中に、棺に死者を安置するために使われた枕があります。今でこそ寝具として使われる枕ですが、これまでに見つかっている古墳時代の枕は主に死者のための枕です。
古墳時代には木製、石製、土製、土器転用などの枕や、石棺底を加工した造り付け枕などがつくられました。古墳時代から飛鳥時代にかけて各地でみられる様々な枕ですが、古墳時代中期の常総地域でとくに盛行しました。その代表が常総型石枕と石枕の装飾品である石製立花です。石枕や石製立花などに残る痕跡から、古代の葬送儀礼である殯との関連が指摘され、当時の葬送儀礼に迫る重要な資料として知られています。
令和五年度冬季特別展では常総型石枕と石製立花を中心に、各地の石枕、埴製枕、関連資料を紹介し、その盛衰と当時の葬送儀礼について考えてみたいと思います。
■会期 令和6年1月13日(土)~3月10日(日)
■休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌日に休館)
■開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)
■観覧料 一般650(520)円、65歳以上・高校生・大学生450(360)円
◆期間中行事◆
●シンポジウム 2月4日(日)
【古墳時代の石枕と葬送儀礼】
講演者
「石枕と葬送儀礼」 白井久美子氏(千葉県立房総のむら 風土記の丘資料館)
「常総地域の石枕の製作技術」 石井 友菜氏(千葉県立中央博物館大多喜城分館)
「伝渋谷出土の石枕をめぐって」 北山 峰生氏(奈良県立橿原考古学研究所)
「前方後円墳祭式の成立と枕の登場」 小山田宏一氏(大阪府立狭山池博物館)
「石製立花の成立と変遷」 久永 雅宏(当館)
時間/10時30分~16時
場所/博物館地階ホール
定員/150名
参加費/無料(ただし、当日の入館手続きが必要です)
※午前10時より1階受付にて入場整理券を配布します。
※昼食を持参されることをおすすめします。
●土曜講座 1月27日(土)
「石枕と立花の葬送儀礼」 久永 雅宏(当館学芸員)
時間/14時~15時
場所/博物館地階ホール
定員/150名
※聴講には参加費200円が必要ですが、当日の入館のリーフレットもしくは年間パスポートの提示で無料となります。
●展示解説
①1月13日(土)②1月21日(日)③2月12日(月・休)④2月23日(金・祝)⑤3月9日(土)
時間/14時~14時30分
場所/地階特別展示室
●ナイトミュージアム 2月10日(土)・11日(日)
キャンドルナイトにあわせて開館時間を延長します。また、特別展の展示解説を行います。
時間/17時~18時30分(最終入館は18時です。)
展示解説/17時30分~18時
●クイズラリー 展示会期中常設
■■■ 主な展示品 ■■■
(章別。◎は重要文化財、〇は自治体指定文化財を示す。)
-第1章 死者の枕の出現-
兵庫県権現山51号墳(木製枕・三角縁神獣鏡)、奈良県伝渋谷(◎石枕)、大阪府久米田貝吹山古墳(枕造り付け石棺(破片))、山梨県大丸山古墳(石枕・鉄斧・管玉) など
-第2章 東西で発展する枕-
茨城県常陸鏡塚古墳(立花・石製模造品)、千葉県姉崎二子塚古墳(◎石枕・◎立花・玉類)、千葉県猫作・栗山16号墳(〇石枕・〇立花・〇石製模造品)、千葉県七廻塚古墳(〇石釧・〇立花・〇石製模造品)、千葉県石神2号墳(石枕・立花・石製模造品)、千葉県北ノ内古墳(〇石枕・〇立花・〇石製模造品)、群馬県白石稲荷山古墳(石枕など東槨出土品)、群馬県上細井稲荷山古墳(石枕・石製模造品)、静岡県松林山古墳(琴柱形石製品)、京都府産土山古墳(埴製枕・玉類)、奈良県五条猫塚古墳(埴製枕)、奈良県富雄丸山古墳(◎琴柱形石製品・◎石製模造品)、和歌山県椒古墳(石枕) など
-第3章 古墳における枕の終焉-
大阪府阿武山古墳(玉枕(復元品))、奈良県竜田御坊山3号墳(琥珀製枕(復元品)) など
図録は当館ミュージアムショップにて販売中!
令和5年度冬季特別展「まくら-古墳時代の石枕と葬送儀礼-」図録(111ぺ-ジ)
1.200円(税込)
※通販は行っておりません。
チラシのPDFはこちら
音声コンテンツ(まくら-古墳時代の石枕と葬送儀礼-)
-
01 プロローグ
-
02 第1章「概説」
-
03 第2章「概説」
-
04 第2章「古香取海と滑石」
-
05 第2章「立花の成立」
-
06 第3章「概説」
-
07 エピロ-グ
この音声コンテンツは、テキスト読み上げソフトウェア(VOICEVOX:四国めたん)によって生成したものです。