館長からのご挨拶

ごあいさつ

『古事記』では南河内の飛鳥の地を、大和の「遠つ飛鳥」に対して「近つ飛鳥」と呼んでいます。このことは南河内のこの地域一帯が、大和の飛鳥とともに、東アジア文化受容の先進地として、日本の古代文化の形成に重要な役割を果たしたことを物語っています。また、律令時代の河内、和泉、摂津の三国からなる大阪府域には、わが国でも第一位から第三位までの墳丘規模をもつ巨大な前方後円墳をはじめとして、古墳時代から飛鳥時代にかけての古墳やその他の重要な遺跡が数多く分布しています。

この近つ飛鳥博物館は、大阪府を中心とする古墳時代から飛鳥時代の古墳などの遺跡に調査・研究の成果をわかりやすく展示した、わが国でもあまり例のない、古墳とその時代に関する専門博物館です。また、その名称からもご理解いただけるように、日本列島における古代国家や古代文化の形成過程を、特に東アジア地域との関わりに重点をおいて考えていただくことを大きな目標としています。

幸い平成6年3月の開館以来、80万人を超える入館者をお迎えすることができました。これもひとえに、この博物館を愛してくださる多くの方々のご支援の賜と厚く感謝しております。また平成18年4月からは大阪府の指定管理者制度の導入にともない、(財)大阪府文化財センターがその運営を引き受けることになり、スタッフ一同、これまでの蓄積を踏まえながらさらに新しい博物館を目指して努力しております。

国際理解の推進が叫ばれる今日、東アジアとの深い関わりで成立した日本の古代文化を正しく理解していただき、また大和とともに日本の古代国家や古代文化の形成で中心的な役割を果たした河内をはじめとする大阪府域の歴史的重要性を広く認識していただくためにも、今後もこの博物館が果たさなければならない役割は少なくありません。当館がその本来の目的を果たせるよう、今後とも皆様の暖かいご支援をお願いいたします。

大阪府立近つ飛鳥博物館館長 大阪府立近つ飛鳥博物館
館長 白石 太一郎