ごあいさつ
近つ飛鳥博物館は、地域や大阪府の歴史を踏まえ、古墳時代から飛鳥時代にかけての時代、 言い換えれば古代国家の黎明期の歴史を主要なテーマに、展示や講座・研究・教育など幅広い活動 を展開し、府民をはじめとする多くの方々に親しまれてきています。
博物館の展示は主に考古学の成果に基づいたものとなっていますが、私の専門は日本古代史です。 主に文献史料に基づいて古代史を解明しようとしています。具体的には、ミヤケ(屯倉)制や古代交通、 平城京を中心とする古代都城制、あるいは木簡などを主たる研究対象としてきました。 その中で、竹内街道などの道路に注目して古代交通を復元したり、長屋王家の荘園の1つである「山背御田」の故地を、 博物館からほど近い河南町山城に比定したり、近つ飛鳥周辺の歴史に関わりをもつ機会も多くありました。
古代の歴史を明らかにするには、考古学と歴史学、地理学など、さまざまな学問分野の共同作業を必要とします。 私も上記のような経験を生かしつつ、歴史学の立場から、大阪、南河内の古代史をより明らかにし、 その成果をわかりやすい展示や講座などの形で皆様方に提示することで、親しみを持っていただける博物館、 また行きたいと思っていただける博物館にしていきたいと思います。そうすることによって、少しでも博物館の活動に貢献し、 その発展に寄与することができれば幸いです。
今後とも皆様方のご協力、ご支援を近つ飛鳥博物館に賜りますよう、よろしくお願いいたします。
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大阪府立近つ飛鳥博物館 館長 舘野 和己 |